低温でもやけどを起こすことがある
低温やけどとは、湯たんぽなど心地よく感じる温度のものに長時間皮膚が接することで、熱いと感じないままやけどになってしまうことです。湯たんぽや使い捨てカイロなどの使用中に起きやすく、特に皮膚の薄い乳幼児や高齢者では、寝ている間に湯たんぽなどにより低温やけどを起こすことが多いようです。
50℃では2~3分、46℃では30分~1時間、44℃では3~4時間で皮膚が損傷を受けるといわれています。
低温やけどを起こしやすい高齢者
なかでも、自分で手足を動かせなかったり、寝返りができない高齢者は、低温やけどを起こしやすいため注意が必要です。自分で体勢を変えられないため、長時間、湯たんぽなどに肌が押し付けられた結果、低温やけどを負ってしまいます。
また、糖尿病などにより、手足の血液循環が悪く、痛みに気が付きにくくなっている場合も、低温やけどになりやすくなります。
軽視せず、できるだけ早く受診を
低温やけどは、最初は少し赤くなってひりひりするくらいで、一見軽そうに見えます。しかし、じわじわと悪化し、数日から一週間かけてぐしゅぐしゅとしてきたり、水ぶくれができることもあります。
そうなると治療に時間がかかり、皮膚移植手術が必要になることもあります。
湯たんぽや使い捨てカイロ、電気毛布などを使って皮膚の表面が赤くなっていたり、水疱(水ぶくれ)ができていたら、低温やけどを疑いましょう。
また、低温やけどは、高温によるやけどと異なり、水で冷やしてもあまり意味がありません。
「赤くなっているだけだから」、「狭い範囲だから」と軽視せず、できるだけ早く皮膚科を受診することが必要です。
低温やけどの予防法
布団など寝具を暖める場合は、湯たんぽなどをあらかじめ布団に入れておき、布団に入る直前に布団から出します。
電気毛布も、寝る前にスイッチを入れて布団を暖めておき、寝るときにスイッチを切りましょう。
貼るタイプの使い捨てカイロは、直接、あるいは薄いシャツの上から貼らないように注意しましょう。カイロを貼ったまま横になり、カイロが長時間皮膚に押し付けられるかたちになったため、低温やけどを負ってしまったという事例もあります。
湯たんぽやカイロは、省エネの強い味方です。しかし使い方によっては、低温やけどを負う危険性もあります。
使い方を見直して、安全で快適に、寒い冬を乗り切りたいものです。
「低温やけど」に関する信頼できる情報は?
日本熱傷学会
熱傷(やけど)に関する簡単な知識
http://www.jsbi-burn.org/ippan/chishiki/preventive.html
消費者庁
ゆたんぽを安全に正しく使用しましょう!
-低温やけど、過熱、漏れなどの事故を防止しましょう-