この記事は、東京大学医学部附属病院薬剤部・感染制御チームの高山和郎氏の講演「新型コロナウイルスと感染対策」をもとに構成しました。
確認しましょう、正しい装着法
マスクは正しく装着しないと、感染を広げてしまったり、自分が感染するリスクを高める可能性があります。
正しい装着方法を確認しましょう。
正しいマスクの付け方
1)つける前に手を洗う
2)マスクはプリーツのひだが下向きになるように装着する。
3)マスクを顔に押し当てて、ノーズピースを鼻の形に調節しながら顔にフィットさせ、マスクをあごの下まで伸ばす
4)ゴムを耳にかける
マスクは、鼻と口が確実に覆える大きさのものを使います。プリーツのひだは下向きに。上を向いていると、ほこりやゴミがたまりやすいためです。
そして、ゴムの長さを調節して、顔に密着させ隙間を作らないことが大切です。
正しいマスクの外し方
1)外す前に手を洗う
2)耳の後ろのゴムを持ち、そっと外す
3)マスクの外側に触れないように注意しながらビニール袋に入れるか、蓋つきのゴミ箱に捨てる。布マスクは、予め作っておいた洗剤液にマスクを浸す
4)マスクを処理したあと、再度手を洗う
マスクは着けるときよりも、外すときに注意が必要です。
マスクの外側には、ウイルスが付着している可能性があります。できるだけ外側を触らないように注意して外します。
布マスクの洗い方
布マスクは洗濯機で洗うと型崩れしまいがちです。洗剤を使い手洗いで押し洗いすることが推奨されています。良くすすいだらタオルに挟んで水気を取り、陰干しして乾かします。
不織布の使い捨てマスクは、洗うと性能が落ちるといわれるものの、飛沫を防ぐ役割は果たせると言われています。不織布マスクも、布マスクと同様にこすらずに押し洗いして、再利用可能です。
メガネは感染予防になる?
目の粘膜(結膜)からも新型コロナウイルスがからだの中に入る(ウイルスに感染する)可能性が指摘されています。メガネをかけることは、新型コロナウイルスを含んだ飛沫をある程度遮断しますが、完全ではありません。メガネと顔の間が空いているため、そこから飛沫が飛び込む恐れがあります。
花粉症用の、上側や横側も覆われたメガネなら、効果があると考えられますが、日常生活において目の保護までは考えなくともよいでしょう。
感染対策はいつまで続ければいいのか
5月5日現在、国内の新型コロナウイルス感染症の感染者は15,235例となりました。これはPCR検査で陽性が確認された患者数ですから、実際の感染者はもっと多いと思われます。感染者増加のスピードも緩くはなりましたが、まだ日々感染者が増えている状況です。
これはいつまで続くのでしょうか。
現在、多くの人が接触機会を減らすために努力しています。接触機会が減れば感染拡大も抑えられ、感染者は減っていくでしょう。そこで規制を緩めると、また接触者が増えて感染者が増えることになります。そこでまた外出規制などをして感染者減少させます。今後何度かこの波を繰り返すことになります。
東京大学医学部附属病院薬剤部・感染制御チームの高山和郎先生は、「感染対策はひたらすら続くよどこまでも、終わりなし」とお話しされていました。
いずれ、日本に住む人の60~70%が免疫を持ち、ワクチンが開発され、治療薬も現れると思います。そうなったら感染収束といえるでしょうが、まだ時間がかかります。
それまでは、感染対策を続けていく必要があります。
恐怖に振り回されずに、新型コロナウイルス感染症のことや感染対策について、正しく知り、正しく恐れる。そして今、できることを、それぞれの場所で続けていく。
それが新型コロナウイルス感染症収束への近道であると考えます。