あらためて見直そう 新型コロナ感染予防策①

<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄 / 文:星野美穂>

この記事は、東京大学医学部附属病院薬剤部・感染制御チームの高山和郎氏の講演「新型コロナウイルスと感染対策」をもとに構成しました。

続けよう、感染予防策

5月31日まで、緊急事態宣言が継続されることが発表されました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大はまだ続いています。
日々の感染予防を続けていくことが大切です。
あらためて、感染予防策についてまとめました。

緊張が長く続くと、手間のかかることはやり続けるのが難しくなります。

感染予防のために、最低限大切なことはなにか、改めて見直していただければと思います。

この記事は、東京大学医学部附属病院薬剤部・感染制御チームの高山和郎氏の講演「新型コロナウイルスと感染対策」をもとに構成しました。

遮断すれば感染しない

新型コロナウイルス感染症の感染経路は、

飛沫感染

接触感染

の2つです。

飛沫感染とは、感染者がくしゃみをしたり、咳をしたときに出る飛沫(しぶき)に含まれるウイルスを、ほかの人が口や鼻から吸い込んで感染することです。

接触感染は、ウイルスが付着した場所を触った手で、口や鼻を触って感染することです。ウイルスは、感染者がくしゃみや咳を押さえた手で触ったり、飛んだ飛沫が落ちることで机やドアノブなどに付着します。

空中に漂う微生物の付着した小さな飛沫核を吸い込んで起こる空気感染は起きていないと考えられています。ただ、飛沫核よりも大きなエアロゾルによる感染は完全に否定はされていないため、閉鎖した空間や近距離、多人数での会話には注意が必要です。

新型コロナウイルスは、鼻や目、のどの粘膜に付着して、そこから感染が始まります。
逆に言えば、その感染経路をシャットアウトすれば、感染は起こりません。

新型コロナウイルスのそうした性質を踏まえた上で、予防法を考えてみましょう。

感染リスクにつながる行動を知る

新型コロナウイルス感染症の怖さは、感染しても軽症もしくは無症状の人が約80%で、その人たちが感染に気が付かないまま動き回ってウイルスを拡散させているおそれがあることです。

ですから、人がいるところはどこでもウイルスがいると思って行動して間違いありません。

とはいえ、外に出てどこにも触らずに過ごすことはできないですね。

どんな行動が感染リスクにつながるかを知り、それを避けることが感染予防となります。

たとえば、新型コロナウイルスが手についただけで感染することはありません。健康な皮膚から体内に入り込むことはできないのです。

しかし、手についたウイルスが口や鼻から体内に入れば、感染することがあります。

ですから、外出先では手を目や鼻、口に持っていかないように注意を払います。そして帰宅したら、手についたウイルスを家のなかのあちこちにつけてしまう前に、真っ先に手洗いすることが重要です。

可能なら、シャワーを浴びて、服も着換えてしまいましょう。

石鹸の手洗いでウイルスは取り除ける

今、アルコール消毒液が不足しています。しかし、石鹸で手を洗うだけで十分ウイルスは除去できます。

手洗いなしで手に約100万個のウイルスが存在した場合、

流水で15秒手洗いすると1万個に、

ハンドソープで10秒または30秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎをした場合、数百個に、

ハンドソープで60秒もみ洗い後、流水で15秒すすいだときは、数十個

ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎを2回繰り返すと、約数個 

まで、ウイルスを減らしたという実験結果があります。

感染予防の基本は、まず手洗いです。

保湿も忘れずに

手洗いを頻繁にするときに、大切になってくるのが保湿です。

アルコール手指消毒液には保湿成分が入っているものもありますが、それでも手荒れしてしまう人は少なくありません。

手荒れすると、水や消毒薬が染みて手洗いの回数が減ってしまうことに加えて、荒れた手は雑菌が繁殖しやすいことも明らかになっています 。

手を洗ったり、アルコール手指消毒液を使ったら、ハンドクリームやワセリンなどで保湿して手荒れを防ぎましょう。

手洗いのタイミング

手洗いをいつするのか、そのタイミングも重要です。

ウイルスを家に持ち込まない、からだに入れないというタイミングで考えていくとわかりやすいと思います。

たとえば、

帰宅直後

ウイルスが付いていると思われるものを触ったあと

他者と接触したあと

食事の準備を始める前

食器などを触る前

食事を開始する前

トイレの後

など、自分の生活と環境に合わせて考えていくと良いでしょう。

あまり神経質になっても、疲れてしまい長続きしません。

新型コロナウイルスの感染対策は長期戦になると思われます。

感染経路を踏まえて、ウイルスをシャットアウトする方法を行っていくことが大切だと考えます。